信用リスクにかかる管理態勢として、リスク統括部を営業関連部門から完全に独立した信用リスク管理部署として定め、「内部格付制度」を当行における信用リスク管理の根幹の制度と位置付け、個社別の与信管理、業務運営等に活用しております。
リスク統括部では、内部格付制度の設計・基準制定および変更、内部格付制度の検証および運用の監視等を所管しており、内部格付制度の適切な運営や格付の正確性・一貫性の確保に責任を負う態勢としております。
一方、審査関連部門は個別与信にかかる審査等を担当しており、営業推進部門から分離し審査の独立性を確保するとともに、融資に関する基本原則を遵守し、お取引先の財務状況や資金使途、返済能力等を勘案した厳正かつ総合的な審査を実施しております。
なお、審査関連部門は、審査関連業務の企画やお取引先の与信にかかる審査を担当する審査部、海運・造船等の審査に特化したシップファイナンス部、企業再生のための経営相談機能をもつ企業コンサルティング部、問題債権を担当する融資管理室の4部室体制としております。
資産の自己査定につきましては、査定基準の制定等をリスク統括部が所管した上で、営業店による1次査定、本部各部による2次査定ののち、リスク統括部による検証を実施する等、厳正な運用体制を確保しております。
また、信用リスク管理強化のためには人材育成が不可欠との観点から、階層別研修の実施等、行員の信用リスク管理能力の向上にも努めております。
リスク管理態勢
健全なリスクカルチャーは、当社の業務に携わる全ての役員および社員等が、リスクに対する高い見識と業務遂行に対する倫理観を持つことによって醸成され、 リスク管理態勢の枠組みを支え、お客様からの信頼の維持や企業価値の持続的な向上に繋がります。
当社では、当社業務に即したリスクに関する行動の指針を制定・周知し、一人ひとりが日々の業務の中でこれを実践することを通して、 資産管理専門銀行員としてのリスクマインドの浸透を図り、会社としての健全なリスクカルチャーの醸成に取り組んでいます。
リスクガバナンス
【1線】各業務部署:自律的統制機能 各業務部署は規定やルールに従い日々の業務を遂行するとともに、業務遂行に伴うリスクのオーナーとしての第一義的責任を有し、自律的にリスクの特定・評価・コントロール等の統制活動を行います。 【2線】リスク管理部署:リスク管理機能 リスク統括部およびリスク管理部署は、1線が行う自律的な統制活動をモニタリングするとともに、当社が有するリスクを特定・評価し、リスク管理プロセスを構築します。 【3線】業務監査部:内部監査機能 各業務執行部門から独立して、その活動の検証・是非等を行います。
リスク管理態勢
当社は資産管理専門銀行として、リスク管理が経営の最重要課題の一つであるとの認識の下、取締役会にて管理すべき各種リスクの定義、リスク管理を行う組織・体制など、リスク管理の基本的な枠組みなどを定めた上、 組織横断的な会議体としてリスク管理担当役員を議長とするリスク管理審議会を設置する等、会社全体として適切なリスク管理の実施とリスク管理態勢の整備に取り組んでいます。
具体的には下表・下図の通り、業務遂行に伴って発生するリスクを、「オペレーショナル・リスク」、「資金繰りリスク」、「信用リスク」、「市場リスク」等のカテゴリーに区分し、 カテゴリー毎にリスク管理部署を設けてリスクの特性に応じた管理を行うとともに、リスク統括部を統括部署として設置して一元的な管理を行っています。 また、統合的リスク管理として、リスクカテゴリー毎に定性・定量評価したリスクを総体的に捉え、経営体力と対比することによって自己資本の十分性を管理しています。
なお、当社は、資産管理業務に特化したリスクプロファイルに鑑み、オペレーショナル・リスクおよび資金繰りリスクを主なリスクと認識しています。 このため、オペレーショナル・リスクについては発生の予防と顕在化時の影響の極小化を基本方針として、 資金繰りリスクについては極力リスクを取らないことと資金繰り危機時の態勢を整備することを基本方針として、各種リスク管理活動に取り組んでいます。
リスク管理
グループで展開するビジネスには、多種多様なリスクが存在します。健全な財務構造や収益構造を維持するためには、事業特性やリスク・プロファイルを踏まえてこれらのリスクを認識し、かつ適切な評価のもとに管理していくことが重要であると考えています。
当社グループは、自己勘定を活用して一時的に販売目的の商品ポジションを保有し、お客様への商品提供を行なうため、相場変動やヘッジが機能しないことに起因する市場リスク、外貨を含めた流動性リスク、取引先や発行体に対する信用リスクのほか、業務を執行するうえで必然的に発生するオペレーショナルリスクや意思決定にモデルを活用することによるモデルリスクなどが生じます。また、ハイブリッド戦略による成長投資を実行することに伴い、投資先の業績や信用状態の悪化、市場環境の変化等に起因する投資リスクも発生します。そのため、ストレステスト ※1 やトップリスク管理 ※2 を活用し、フォワードルッキングな視点でグループ内における資本や流動性に与える影響を計測するなど、統合的なリスク管理を行なっています。
- ※1 当社グループにとって重大な影響を及ぼす蓋然性のあるストレスシナリオを想定して、資本や流動性、業務体制への影響を統合的に評価すること
- ※2 リスク事象のうち、 顕在化した場合の当社グループへの影響が極めて大きいものをトップリスクとして選定し、管理すること
①市場リスク管理
市場リスクとは、株式・金利・為替・コモディティなどの相場が変動することにより損失を被るリスクです。
当社グループのトレーディング業務では、市場流動性を提供することで対価を得るとともに、一定の金融資産等の保有を通じて市場リスクを負っています。当社グループでは、損益変動の抑制のために適宜ヘッジを実施していますが、ストレス時にはヘッジが有効に機能しなくなる可能性があるため、財務状況や対象部門のビジネスプラン・予算などを勘案したうえで、VaR(バリュー・アット・リスク) ※1 および各種ストレステスト ※2 による損失見積りが自己資本の範囲内に収まるように、それぞれ限度枠を設定しています。その他、ポジション、感応度などにも限度枠を設定しています。
当社グループのトレーディング業務を担当する部門において、自らの市場リスクを把握する目的でポジションや感応度の算出を行ないモニタリングを行なっている一方で、リスク管理部署でも市場リスクの状況をモニタリングし、設定された限度枠内であるかどうかを確認のうえ、経営陣に日次で報告しています。
コメント