リスクマネジメント
一定規模以上の財務負担をともなうプロジェクトの投資決定には、 4 段階からなる Decision Gate ( DG )プロセスを適用しています。 DG プロセスは、 TECOP ( Technical 、 Economical 、 Commercial 、 Organizational 、 Political-Societal )それぞれの側面から事業に関するリスクや機会を抽出し、対応策などについての評価に関するレビュー( DGR : Decision Gate Review )を実施しています。
- DGR-1:戦略との適合性を確認のうえ、外部環境認識を踏まえたリスクと機会の特定
- DGR-2:考えうるすべての代替案を創出し、それらの実行可能性、リスクと機会を評価
- DGR-3:複数の案から、案件の価値を最大化する最良の案を選択
- DGR-4:最終投資意思決定を行うための詳細を検討
実施段階の事業リスク管理
安全対策・緊急時の事業継続
国内外で業務に従事する従業員の安全対策に加え、緊急事態発生時にも事業を継続するための全社的な方針や付帯する事項を討議する「 HSSE 委員会」を設置しています。また、全社的な方針にもとづく体制や各種マニュアルの整備に加え、平時からの対策や従業員の意識啓蒙などを行っています。
海外安全対策
なお、海外安全・危機管理要領や関連する重要事項の制定や審議は、 HSSE 委員会で実施しています。また、 HSE 統括部および関係部室長をメンバーとする海外安全対策専門部会が、海外安全に関する情報収集や出張の可否判断を行っています。
海外緊急時対応訓練と情報発信
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リスクマネジメント
- 海外各拠点と本社間の緊急連絡訓練
- 海外有事を想定したシミュレーションやワークショップを含む海外有事対応訓練
緊急時対応
本社および事業所などの主要拠点では、緊急事態を想定した訓練を年 1 リスクマネジメント 回以上実施しています。また、その結果を踏まえながら、緊急対策規程や関連要領、各種マニュアルの整備や改善を適宜行っています。
事業継続計画( BCP )
大地震などの災害や感染症の流行など、社会生活に大きな影響を及ぼすような緊急事態発生時の事業継続を想定した、事業継続計画( BCP : Business Continuity Plan )を策定しています。
BCPと付随する各種要領、各種マニュアルは、 2011 年の東日本大震災や、 2018 年の北海道胆振東部地震、 2021 年の福島県沖地震など、実際に経験した当社事業場などの被害・被災経験を踏まえ、適宜改善を図っています。
大規模な感染症流行時の対応
情報セキュリティ
この体制のもと、情報の分類・管理体制の整備や、「個人情報保護方針」および「個人情報取扱ガイドライン」の策定と、これらを踏まえた IT 環境の整備・運用を行っています。
プロジェクトリスクマネジメント
NHKのプロジェクトXのヒットのおかげで、プロジェクトには縁の無かった方々にも「プロジェクトとはどんなものなのか」についてのイメージが受け入れられやすくなっている。
プロジェクトとは、「到達すべき目的」の実現に向けて行われる、期間及びコストの制限のもとで複数の人間により実施される一連の活動と定義できる。到達すべき目的には、「新製品の開発」であったり、「新しい情報システムの構築」であったりする。最近では「J-SOX対応プロジェクト」を立ち上げた企業も多いことと思う。
プロジェクトリスクとは「到達すべき目的」が達成できないことで、プロジェクトが中断することだけでなく、完成はしても期間やコストの超過や、一部の目的が未達成となる場合なども含まれる。表題の「プロジェクトリスクマネジメント」の目的は、当初の期間とコストで予定した目的(機能・品質など)を実現するために、プロジェクトの目的達成に対する阻害要因を排除することである。
米国プロジェクトマネジメント協会が提唱するPMBOK(Project Management Body of Knowledge)が、プロジェクトマネジメントに必要と考えられる基本的な知識の体系としての事実上の標準として広く受け入れられている。PMBOKでは、プロジェクトを遂行する際には、「スコープ(目的と範囲)」、「時間」、「コスト」、「品質」、「人的資源」、「コミュニケーション」、「リスク」、「調達」、「統合管理」の9つの観点に対するマネジメントが必要であるとしている。
つまり、「プロジェクトを成功に導くためのマネジメント」を行うことには、「プロジェクトのリスクマネジメント」を行うことが含まれており、かつプロジェクトを成功させるための重要な観点であると認識されている。
リスクの識別
好機となるリスク
予想されるリスクを許容範囲内と判断した場合、 先行するフェーズの成果物が承認される前に 後続のフェーズを開始することがある(ファストトラッキング)。 前後のフェーズを重ねることによるリスク(品質低下の可能性)とその結果として得られる見返り(工期短縮の可能性)を比較して、リスクを受容できると判断した結果である。
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